経営者インタービュー詳細
VOL.64
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2025.11.25
海外の文化を持って来ること 日本の文化を持って行くこと これが貿易だと思う
株式会社AELLA
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代表取締役糟野 友則
いえ実は違うんです。私は料理が好きで調理師免許を取るために滋賀県の高校の調理科に進みました。そして、卒業前に父の会社の工場長から、「戻って来て継いでほしい。」と声を掛けてもらったことが大きな転機でした。その言葉が嬉しくて、卒業後は埼玉のホンダ学園に入学し整備を学びました。その頃、1年間のオーストラリア留学のチャンスがあったのですが、選考に漏れてしまったんです。海外への興味が強かった分、その悔しさは残りました。専門学校卒業後は、関東のバイクショップで働きながら語学学校に通い、その後京都へ戻り、父の会社で整備士として働き始めました。しかし2年ほど経った頃、ふと「このまま同じ生活が続いていくのか」と思った瞬間があり、違和感が芽生えました。そこで、叶えられなかった留学への思いが再燃し、思い切って退職。ワーキングホリデーで1年間バンクーバーへ渡ることにしたんです。

完全に「英語を学びたかったから」です。バンクーバーでは毎日英語漬けの日々を送り、10か月ほど経った頃から上達を実感し始めました。そんな時、通っていた学校の校長先生から「ビザを出すから、あと2年ここで働かないか?」と声をかけていただきました。もちろんすぐ承諾し、そこからは勉強と仕事の両立に。英語はさらに上達し、2年目には日本に帰国して同校の営業担当として留学者募集の仕事をしていました。実はその時に妻と出会いました。ですが、学校の経営が傾きはじめ、最終的には閉校。その後はモントリオールへ移動しフランス文化に触れ、結婚のタイミングで日本に戻りました。
帰国後、父の会社へ戻る選択肢もありましたが、せっかくなら長い海外生活の中で培った英語の能力や経験を活かそうということで、現在の株式会社マーチでバイクの輸出入の事業を本格的にやるようになりました。
まだ日本の誰もが知らないようなバイクを海外からもってきて、知ってもらって、乗ってもらって、楽しんでもらう。こういう体験を皆様には提供していきたいと考えています。また、お客様には、バイクは勿論のこと、その価格や私達が提供するサービスにも満足してもらいたいと思っています。また、バイクという’’モノ’’ばかりを見られるのではなく、海外の考えで製造された製品の良さや文化なども体験していただけたらうれしいです。
バイクや車は変化がないように見えますが、各社とても個性的でよく考えられています。その違いも是非伝えていけたらうれしいです。またスタッフのみんなには感謝しかありません。自分が出来ないことをやってもらっていて、ただその時間を無駄にしないように自分しか出来ない業務や商談に使えているので、改めて感謝しかないです。人は「出来ない部分に目を向けるより、出来る部分を伸ばす方が圧倒的に成長する」。そう信じています。
新型コロナウイルスがまん延するまでは、「行きたい国に仕事をつくる!」ということが楽しくて、モチベーションの源になっていました。しかし、簡単に海外に行くことが難しくなった今となっては、単純に仕事や商売そのものがモチベーションの源になっています。好きな仕事をして、喜んでもらえる。これ以上に幸せな働き方はない。そう思っています。
私は食べることも好きなので、食品の輸出入など、バイク以外の分野にも挑戦してみたいです。また、自社ブランドの「AELLA」の海外展開をさらに強化し、世界で選ばれるブランドにしていきたい。日本のものづくりの素晴らしさを世界に発信していきたいと思います。
